こんにちは。クボタです。
猫のおやつと言えば「いなばのCiao!ちゅ~る」ですよね。
猫を飼ったことない人ですら知っているいちばん有名なキャットフードです。
でも有名な商品にはアンチが付き物なのか、ネット上には良くない噂が…。
根も葉もない噂だと思うけど、本当に大丈夫なのかな…そんなふうに心配になりますよね。
大事な猫ちゃんに変なものを食べさせるわけにはいきません。やはり飼い主さんがしっかり原材料を吟味して選ばないといけないのです。
そこで今回はちゅ~るの成分や塩分濃度を実際に検証し、安全性を確かめてみたいと思います。
クボタ自身が試食もします!
この記事を読めば安心して猫ちゃんにおやつをあげられます。最後まで読んでね。
ちゅ〜るの成分表を徹底検証します
これがちゅ〜る(まぐろ)の成分表です。
最初に結論を言いますが、毒になるような悪い原料は入っていませんでした。
ただ猫への影響がわかってない添加物がいっぱい入ってます。
良い原料⭕ | まぐろ、まぐろエキス、オリゴ糖、緑茶エキス、 |
普通の原料🔺 | 植物性油脂、ミネラル類、ビタミンC |
影響がわかってない原料❓ | たんぱく加水分解物、加工でん粉、増粘多糖類、紅麹色素 |
危険な原料❌ | なし |
総合評価としては直ちに害は無いが、積極的に与えすぎないほうがいいという結論です。
原材料を1つ1つ見ていってみましょう。
ちゅ〜るの原材料レビュー
まぐろ⭕
その名のとおり魚のマグロですね。書き方からして何も加工してないマグロそのままです。
いなば食品のホームページによるとキハダマグロを使用しているようです。
キャットフードの原材料の表示は多く入ってるものから順番に書いていく決まりになっているので、このちゅ〜るの場合はマグロが主成分でできているのでしょうね。
新鮮なマグロは嗜好性を高め、食いつきを良くしますので良い原料ですね。
まぐろエキス⭕
まぐろエキスっていう書き方からして一見何なのかよくわからないですが、キャットフード関係の特許技術などを調べたところ、まぐろを水で加熱したあとの煮汁のことみたいですね。
煮汁から水に溶けない固形成分を濾して、さらに煮詰めたものが「まぐろエキス」なのだそうです。
煮汁はマグロの香りがついていて猫が好むので原材料として加えているのでしょうね。
こちらも嗜好性を高める効果があります。良い原料です。
タンパク加水分解物❓
これは肉などのタンパク質に「加水分解」という加工を施して抽出したアミノ酸の一種ですね。
「加水分解物」というと何やら怪しげな化学物質のように聞こえますが、分類上は添加物ではなく「食品」です。食べ物です。人間の食品にも使われているので安全なものですが、猫に食べさせる必要があるのかというと疑問。
ちゅーるの異常な嗜好性はこのような調味料によって成されているのでしょうね。
糖類(オリゴ糖など)⭕
その名の通り糖類ですね。
オリゴ糖とは母乳に含まれている糖類のことで非常に体に良いものです。
猫は甘みを感じる細胞が舌に無いですから、あまり糖類を入れる意味があるとは思えないですが、おそらく健康効果を期待して入れてるのでしょうか。
植物性油脂🔺
植物から取った油ですね。
オリーブ油とかキャノーラ油とかああいうやつね。
何の油か書いてないのがちょっと怪しいですが、悪いものではないでしょう。
増粘剤(加工でん粉)❓
これは食品添加物です。
天然のデンプンを化学的に加工して粘度を上げたりしたものです。とろみを出すのに使っているのでしょうね。
人間の食品にも使われていて、国も認めているものなのですが、安全性に疑問を呈する人もいます。
EUの食品安全機関からはヒトへの安全性については問題ないという論文が出てます。
しかし猫に長期的に与えた場合の影響についてはまだ研究されてないようですので過信は禁物です。あまり積極的に与えすぎないほうがいいです。
ミネラル類🔺
カルシウムとかマグネシウムとかのミネラル類ですね。
猫にとってもミネラルは必要な栄養素ですから悪いものではありません。
しかしミネラルのとりすぎは下部尿路の病気などになりますから注意が必要です。
増粘多糖類❓
こちらも食品添加物ですね。
穀物や海藻類から抽出された多糖類です。多糖類とは糖質のことですね。
糖質と言っても砂糖のような甘い物質ではなく、寒天とか葛粉のようなイメージで考えればいいと思います。
とろみを出すために使われているのですね。
天然由来の物質ですが、猫にとっての影響はまだ研究されてないです。過信は禁物です。
調味料(アミノ酸など)❓
化学調味料のことです。別名うまみ調味料。
あれはアミノ酸で作られているんですよ。
もちろん人間と猫の旨味成分の受容体は違いますから、人間の化学調味料がそのまま入ってるなんてことはないでしょうが、人工的にアミノ酸を入れて旨味を増強するのは同じですね。
猫の場合は6種類のアミノ酸を旨味として感じることがわかっています。
特にアラニンやイソロイシンを「うまい!」と感じるようですね。
調味料で人工的に味を濃くしたものに慣れると普通のご飯を食べなくなる可能性がありますので注意が必要です。
ビタミンE🔺
こちらも食品添加物ですね。
酸化防止剤の一種です。食品の腐敗やカビを防ぐ「保存料」とは別のものです。
ビタミンEを加えると油の酸化を防ぐことができます。
海藻や植物など天然由来の成分から抽出されていて、危険なものではありません。
緑茶エキス⭕
こちらも食品添加物です。
酸化防止剤の一種ですね。緑茶にはカテキンが入ってますが、その物質だけを抽出したものです。
これを入れると油の酸化を防ぐことができますが、猫のウンコのアンモニア臭にも予防効果があることが示唆されています。
紅麹色素❓
着色料です。赤い色を出すのに使います。
猫は見た目で食べ物を判断せず匂いで判断するので入れる意味は全くありません。
人間が見て「鮮やかでおいしそう」と感じるために入れてるのでしょうね。
紅麹色素は着色料の中でも比較的安全とされていますが、猫に長期間与えたらどうなるかはデータがありません。
わざわざこんな物を入れる必要ないと思うのですが、なぜ入っているのか…。色味が悪いとクレームが来たりするのでしょうか?
ちゅ〜るの塩分は?濃いっていう噂は本当?
噂を確かめるため、塩分測定計を用いてちゅ~る(まぐろ)の塩分濃度を計ってみました。
ご覧の通り、ちゅ~るの塩分はゼロではありません。0.5%ほどの濃度の塩分が検出されました。
ちゅ~る1本は14gですから、これの0.5%を計算すると1本につき0.07gの塩分が含まれています。
フランスのナント大学の研究によれば、猫の年齢に関わらず1日の摂取カロリー1kcalあたり3.1mgが猫の1日のナトリウム摂取量の上限値です。
これは1日の摂取カロリーが400kcalである猫の塩分量に換算すると、上限は1日に3gということになります。(ただし健康な猫に限る)
このことからちゅ~る1本に含まれる塩分量は猫ちゃんが1日に取ってもいい塩分量の数十分の一程度の量しか入ってないと考えられ、特にちゅ~るの塩分量が高いということはないと考えられます。
クボタが試食して味をレビューします
「実際に食べてみずして何がわかるんや?」と思いましたので、クボタ自身が食べてみました。
…食べてみた感想ですが、確かに新鮮で良いマグロを使っていると思いました。臭みは全然なく、人間が食べるツナ缶のような上質なマグロの味がします。
塩分は確かにほとんど感じないですが、なんらかの「うま味」の味付けを感じます。全体としてはあまりナチュラルな味では無いです。
味は人間が食べても確かに美味しいです。このままちょっと醤油でもたらせばご飯の友としていけそうと思いました。
まとめ:ちゅ~るは安全だけど食べすぎには注意
原材料を1つずつ見てみて「毒になるようなものは入ってないけど、そんなに健康にも良くなさそう」という印象です。
特に全く加える必要のない着色料を加えているのはいただけない。
法律では許されているのでしょうし、クレーム対応などの事情はあるのでしょうけど、猫の飼い主としては着色料は食べさせたくないです。
あと「植物性油脂」とか「ミネラル類」とか具体的に何が入っているのかわからない書き方をしてるのがちょっと…と言う感じですね。
原材料にはまだ影響がわかってない物も含まれているので、あげすぎないようにほどほどに与えましょう。
もちろん「病気で体力が弱ってちゅ〜る以外を食べなくなった」とか「水分を全く飲まないけどちゅ〜るだけは食べる」とかいう緊急事態になったら積極的に食べさせないといけないです。
でもそんな場合ではない平時には、例えば爪切りをしたときだけとか、お風呂に入ったときだけとか、特別がんばったときのご褒美ぐらいに与えるのが良いと思います。