こんにちは。クボタです。
猫に自動給水器で水を飲ませているあなた、普段疑問に思うことありませんか?
「毎月お金出してフィルター買ってるけど、本当にこれで水はきれいになってるんだろうか……」ってね。
私も疑問でした。
こう見えても私は理系出身で、この手の疑問は調べてみたくなるタチなのです。
そこで実験してみました!
この記事では、猫の自動給水器で水はきれいになるのかその実験の模様と結果をお伝えします。
実験に使用した給水器の紹介
今回、実験に使用した給水器はこちらのものです。
PETKITという中国メーカーが開発した循環型自動給水器です。
普段からうちで使ってるもので、機能は一般的な給水器と同じ。
ポンプで汲み上げた水を猫が飲んだあと、フィルターを通過して落ちる仕組みです。
フィルターには抗菌活性炭とイオン交換樹脂が使われていて、水の除菌と電解質の除去を行ってくれます。
実験デザイン:時間経過でのTDSの水位を測る
実験の前提
- 給水器の本体は新品ではないが、食器用洗剤で内部をキレイに洗った状態で実験
- フィルターは新品のもので実験
- 入れる水は普通の水道水
- 実験中も猫2匹は好きなときに給水器から水を飲むことができる
- 水を飲む猫は去勢済みのオス2歳と3歳(フレイくんとわさくん)
- 実験中に水は替えない。容器も洗わない。
- 給水器のモードは通常モード(常に水が循環し続ける)
- 水がなくなるまで1日ごとに水のTDSを測る
- 比較対象として循環せずに放置した水道水のTDSも1日ごとに測る
要は普通の家庭で猫が給水器を使って水を飲んだ場合に1日毎に水の汚れがどのように変化するかを調べたものです。
TDSとは?
今回の実験で計測する「TDS」とは、Total Dissolved Solidの略で、日本語では「総溶解固形分」と言います。
わかりやすくいうと「水に溶けている物質(電解質)の量」のことです。
具体的にはミネラルとか水道水に含まれる塩素とか。
あとは空気中に漂っている汚れが水に溶けたり、猫が飲んだときに唾液が水に溶けたりということが考えられます。
いわば水にどれだけ不純物が含まれているか、汚れているか、といった指標ですね。
ただ、注意しないといけないのはTDSは万能の指標ではないということです。
例えば水の中に繁殖してる細菌の数などはTDSからはわかりません。細菌は水を漂っている「固体」であって、水に溶け込んでいるわけではないからです。
水の中にいる細菌の数を調べるには恒温器という専門的な機械を使って培養しなければいけないため、家庭ではちょっとやりづらいので、今回はTDSのみ測ることにします。
実験の経過:いちおうキレイになってる!
給水器に水道水を満タンにして、すぐにTDSを計ったところ53ppmという結果が出ました。
日本の水道水が50〜200ppmと言われていますので、うちの地域の水道局の水はかなりきれいな水ですね。
そのあとすぐに電源を入れて水を循環し始めました。
そして1時間後に再びTDSを計ったところ、35ppmまで下がっていました。
フィルターの活性炭とイオン交換樹脂が効いていることの証明ですね。
その後は24時間ごとにTDSを計っていきましたが、35〜50ppmぐらいを行ったり来たりという結果でした。
この時点で2リットルあった水は給水器の動作基準量以下まで少なくなり、給水器は自動停止しました。
対照実験:溜り水のTDSの推移
比較対象として給水器で循環させないただの溜り水のTDSも測ります。
プラスティック製の容器に同じ水道水を入れて、そのまま常温で放置したものです。
給水器と同じように猫は自由に飲むことができます。
経過は以下のようになりました。
考察:給水器と溜り水の結果比較
グラフを見ると一目瞭然ですが、給水器のフィルターには一定の浄水効果が認められました。
給水器を使って循環しても電解質は完全には除去されないですが、汲み上げた直後よりも電解質が少ない状態を96時間に渡って維持できました。
一方、フィルターを通してない溜り水の方は汲み上げた直後からどんどん電解質の量が増え始め、最終的に1.6倍以上になりました。
両方とも猫が自由に水を飲むことができる条件で実験しましたが、給水器に比べて溜り水の方は水の減りが少なかったので、猫が口をつけたのは圧倒的に給水器のほうが多く、それを考えるとかなりフィルターが効いてることは間違いないようです。
ただ、これは新品のフィルターの場合です。フィルターの浄化能力が落ちてきた場合にどの程度まで維持できるかはこの実験ではわかりません。
結論:給水器で水はキレイになる
結論
- 給水器に新品のフィルターを使った場合、一定の電解質の除去効果が認められた。
- 給水器を使った水と溜り水の比較では最終的にppmに2.7倍以上の開きが出た。
- 通常通り猫が使用している状態でも、給水器を常時回していれば、汲みたての水道水よりも電解質の濃度が低い状態を96時間は維持できた。
注意事項
実験室で厳密に行ったわけではなく家庭内で行った実験なので、正確性や再現性はそれなりと思われます。参考程度になさってください。
あくまでも電解質の濃度を計っただけということに注意してください。大腸菌の有無や一般細菌の有無についてはこの実験ではわかりません。
給水器の水の安全性を保証するわけではありません。