こんにちは。クボタです。
あなたの猫ちゃんは言葉を理解していますか?うちの2匹は結構理解しています。
だってクボタがいつも話しかけるんだもん(笑
あんだけ話しかけられたら誰でも覚えるじぇ…
実は猫の知能は犬などと比べてもそう劣ってはいないことがわかっています。犬が「待て」とか「おすわり」などを理解できるように、猫も言葉を理解できるのです。
猫はどの程度言葉を理解するか?
200単語ぐらいは覚えられるという研究結果
慶應義塾大学の渡辺茂名誉教授によると、犬は中型犬なら200単語ぐらいは覚えられるそうです。猫での調査はまだありませんが、犬と猫は同等の知能や脳の構造を持っているため、猫もおそらく200単語ぐらいは覚えられるだろうとのことです。
200単語というと人間なら2〜3歳ぐらいに相当します。
猫はどうやって言葉を覚えるか?
猫が言葉を覚えるには古典的条件付けと呼ばれる学習が必要です。これは簡単に言うと言葉(音)と体験を結びつけるのです。
猫は言葉の意味はわかりませんが、発音は聞き分けられます。そこで、人間が言葉を発すると
- 「ごはん」と聞こえた → 美味しい物がもらえた
- 「びょういん」と聞こえた → 怖いところに連れて行かれた
このように発音と体験が結びつきます。
これを繰り返すことで言葉の意味を覚えていくのです。
猫の知能はどの程度?
よく動物をテーマにしたテレビなどで「猫の知能は人間で言うと○歳ぐらい」「チンパンジーの知能は人間で言うと○歳ぐらい」などと言いますね。
しかし、これは「猫の行動が人間の○歳児と同じレベルだから」というだけの理由で予想された大雑把な数字であって、厳密な根拠のあることではありません。
そもそも知能という言葉自体があいまいで、定義が定まってないものです。
例えば人間や犬や猫といった陸上動物は道順を記憶し、目的地に着くまでの経路を計算しながら歩きます。これは知能があるからできることです。
一方、鳥は道順を計算する知能などありません。なぜなら必要ないからです。空を飛べますからね。そのかわり磁場を感じて方向を把握する能力があります。
ここで陸上動物と鳥を比べたときに道順を計算する知能と磁場を感じる知能どっちが優れているかなどと論じるのは無意味な行為でしょう。なぜなら必要とされてる知能が違う以上、それはリンゴとミカンはどっちが美味しいか論じるようなもので、比べられないからです。
同様に、猫の知能は人間で言うと何歳かなどと「全体的に」比べるのは意味のない論だと思います。人間と猫は生態がまるで異なり、必要とされてる知能が違う以上、比べられないです。
猫の知能は部分的には人間よりも上?
人間と猫の知能は全体的な尺度では比べられないですが、部分的には人間を凌駕しているのでは……と考えられることもあります。
猫は生まれながらのハンターであり、狩りに使うための知能が異常発達しています。特に空間認識能力が非常に優れていることが明らかになっています。
我々人間は知らない土地を歩くとき、誰でも頭の中にグーグルマップのような地図を思い浮かべると思います。これは歩いている自分を上空から俯瞰しているイメージであり、2次元の地図です。
ところが、猫はこの頭の中の地図が3次元であることが知られています。つまり、高低差の位置まで頭の中に入っているのです。
そして一度歩いた道は二度と忘れず、ずっと覚えていて、目的地まで行くための最短経路を瞬時に計算できます。
人間がカーナビに頼ってやっていることを猫は自前の頭で計算できるのです。
猫の短期記憶力は人間の20倍!?
動物の記憶能力には短期記憶と長期記憶があります。
短期記憶とは30秒から10分程度の短い間だけ覚えていられる記憶を言います。
人間で言えば電話番号を覚えることがこれに該当します。知らない人の電話番号はかけ終わった後は10分もすると忘れてしまいますよね。それが短期記憶です。
実験によると、人間の短期記憶は平均30秒だと言われています。
よくテレビのクイズ番組などで絵を一瞬だけ見せてその中に描かれていた野菜や果物の種類を全部言わせるというクイズをやってますが、ああいう記憶は30秒も維持できれば良い方ですよね。
ところが、猫の短期記憶は10分間維持できるというのが2007年の研究でわかったそうです。
人間の20倍以上の長さですね。
一方で、論理的思考は苦手……
このように猫には優れた知的能力がある一方で、因果関係を理解する知能、すなわち論理的思考力は苦手で、犬などよりも劣ることがわかっています。
2009年の研究によれば、紐の先にご飯を付けて引っ張ると食べられるような装置を開発し、猫を実験したところ、1本の紐だけならクリアできたそうですが、何本も紐を増やしたり、紐を交差させるとクリアできなかったそうです。ちなみに同じ課題を犬はクリアできたそうです。
一方で、2016年に京都大学が行った研究によれば「箱の中で音がするならば中に生き物がいるはず」という因果関係を猫は理解できたそうです。
人間は視覚が発達した生き物ですが、猫は聴覚の生き物なので、2016年の研究はスムーズにクリアできたのかもしれません。やはり人間とは知能の構造が異なると感じます。
猫の知能の研究はまだまだこれから
犬に比べて猫の知能の研究はまだ全然進んでいません。
犬は人間に従う習性がありますが、猫は気まぐれであまり従わないので、どうしても厳密なテストがしにくいのです。
今後、少しずつではありますが、研究が進展することに期待しましょう。