「猫のおしりがクサイ!」と感じた経験はありませんか?
汚れていないのに変な匂いがする時は、肛門腺に原因があると考えられます。
この記事では、なぜ猫のおしりがクサイ時があるのか、また、猫がおしりの匂いを嗅ぐ理由はなぜかを解説していきます。
猫のおしりの匂いで困っている人は必見です。
猫のおしりがクサイ!考えられる2つの理由
猫のおしりがクサイ時は、大きく分けて2つの理由が考えられます。
それぞれ詳しく説明しますので、判断の参考にしてみてくださいね。
①排せつ物で汚れている
1つ目の理由は、おしりの周辺がウンチやおしっこで汚れている場合です。
これは長毛猫に多く、おしり周りの毛が長いため排せつ物がくっつきやすいことが原因です。
猫はグルーミングによって自分でおしりをきれいにしますが、毛が長いとくっついた排せつ物を取りきれず匂いが発生します。
また、去勢・避妊していない猫がスプレー行為で出す分泌物も同様です。
②肛門腺が原因
2つ目の理由は、肛門腺から出る分泌液が原因の場合です。
猫の肛門の近くには「肛門嚢(こうもんのう)」と呼ばれる袋があり、肛門腺から分泌された液が肛門嚢にたまります。
通常は排便時に圧迫されて一緒に排出されますが、ビックリした時や興奮した時にも分泌液が肛門嚢から排出される場合があるのです。
この分泌液は「肛門嚢液」や「肛門腺液」と呼ばれており、匂いは排せつ物よりも強烈で、衣服などについたら簡単には落ちません。
基本的にはグルーミングできれいにするため、おしりから発せられる匂いは一時的ですが、いつまでもクサイ場合は分泌液のたまりすぎが原因です。
生まれつき肛門腺が出にくい場合や炎症を起こして肛門腺がつまっている場合は、分泌液が肛門嚢にたまり続けてクサイ匂いを発生させます。
また、猫がおしりを気にして床などに擦りつける行動をしたり、頻繁になめたりした時は要注意です。
床におしりを擦りつける行動は通称「猫戦車」と呼ばれていますが、この行動によって炎症を引き起こし、分泌液がたまった肛門嚢が破裂する場合があります。
一度破裂してしまうと治癒までにかなり時間がかかるので、破裂を未然に防ぐためにも日頃から猫の様子をよく観察しましょう。
猫のおしりがクサイ時の対処法とは
ウンチやおしっこで汚れている場合は、拭いたりシャンプーしてあげたりすれば匂いは落ちますし、長毛猫などはおしり周りの毛を短くカットしてあげると、排せつ時にくっつきにくくなります。
では、肛門腺が原因の場合はどのように対処すればよいのでしょうか。
・そもそも肛門腺はどこにある?
猫の肛門腺は、肛門付近の斜め下あたりの左右に1箇所ずつあります。
目安は肛門を12時として、4時と8時の位置です。
なかなかじっくりと見る機会のない場所ですが、よく見ると目視で確認できます。
・肛門腺を絞る
分泌液をうまく排出できない猫は、人の手で定期的に肛門腺を絞ってあげなければいけません。
【手順】
- 片方の手でしっぽの付け根を持つ
- もう一方の手で左右の肛門腺をつまむ(親指と人差し指)
- 下から押し上げながら絞る
分泌液は猫によって個体差があり、サラサラの液状やドロっとしたペースト状、色は黄色や茶色などです。
かなり強烈な匂いがするため、肛門腺絞りをする時はティッシュなどを挟みましょう。
中には硬くて絞りづらい場合もあります。
猫によっては痛がったり嫌がって暴れたりするため、慣れていない人が肛門腺絞りをすると危険です。
動物病院やトリミングサロンでも肛門腺絞りをしてもらえますので、うまくできない場合は無理せずお願いしましょう。
猫がおしりを嗅ぎ合うのはなぜ?
猫がおしりを嗅ぎ合っているのを見た経験がある人は多いはずです。
匂いを嗅いでポカーンと口を開ける猫もいますが、決してクサイからではありません。
では、なぜ猫はおしりの匂いを嗅ぎ合うのでしょうか。
ここまでに、猫のおしりがクサイ原因として「分泌液」の説明をしました。
しかしこの分泌液、人間にとってはただクサイだけの液体ですが、猫にとっては重要な情報源です。
猫は食べ物やおもちゃなど、まずは匂いを嗅いで危険がないか確認します。
同様に、猫同士がはちあわせた時もお互いのおしりの匂いを嗅いで「危険がないか」「どんな相手なのか」を確認するのです。
実は猫のおしりから出る分泌液は、性別や血縁関係、さらには発情しているかどうかまで判別できてしまいます。
こうしてお互いにおしりの匂いを確認し、情報交換をしているのです。
ちなみに、匂いを嗅いで口を開ける行動は「フレーメン反応」と呼ばれています。
鼻から取り込んだ匂いを、ヤコブソン器官と呼ばれる嗅覚器官を使ってより詳細に感じ取ろうとする行動です。
確かに口をポカーンと開けて少しマヌケな表情をするので、「クッサ〜」と言っている顔に見えて面白いですよね。
おしりの匂いは猫のバロメーター
猫のおしりの匂いは、健康状態をチェックするために役立ちますし、猫同士のコミュニケーションにも必要不可欠です。
飼い主やほかの猫にとって、状態を知るための「バロメーター」といえるでしょう。
飼っている猫の匂いを知っておけば、いつもと違う匂いがした場合すぐ気づいて、病気を早期発見できる可能性があります。
日頃からよく観察をして、もしもの時に迅速に対処できるよう心がけましょう。