誕生したばかりの小さな猫を迎え入れることになったとき、その命を守るために必須なのがケージです。入れっぱなしだとかわいそう、と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。特に小さな猫にとって、ケージは大切なシェルターになるのです。
どうせ数か月しか使わないし、場所も取るし…と購入をためらっている方もいるかもしれませんが、子猫の安全のため、ぜひケージは用意してください。
当記事では、いつまでケージが必要か、成長したらどんなタイミングで使えばいいかなどを紹介していきます。
子猫のケージはいつまで必要? 一日中だとストレス?
上述したように、ケージは小さくて大切な命を守るために必要なものです。生まれたばかりのころは眠っていることが多いので大きなストレスにもなりません。
では、ケージはいつまで必要でしょうか。下記で説明していきます。
ケージは3か月まで必須|快適な環境を作ってあげよう
3か月ごろまでは、子猫には安静に過ごしてもらうのが最優先です。大切なのは、ケージ内を清潔にするなどストレスを感じない環境を作ることになります。
ケージの中のレイアウトも大切です。ケージの中には寝床、ご飯、お水、トイレなどを置いておきますが、お水を溢してしまったときに寝床が濡れないような工夫をしましょう。同じように、トイレと寝床は離れていたほうがいいでしょう。
3か月までは基本的にケージで過ごす
子猫のうちは、眠る時間がとても長いので基本はゲージでOKです。1日数回、10分程度ずつ遊んであげるだけで十分なのですが、子猫が疲れていたり、気が乗らないような仕草を見せたりしたら、すぐにケージに戻して休ませてあげましょう。
子猫にケージが必要な理由
どうして子猫にはケージが必要なのでしょう。それは、子猫にはまだ危機回避能力が備わっていないからです。飼い主が24時間ずっと見張っているわけにもいきませんから、ここにいれば危険はない、という絶対的な安全地帯が必要なのです。
子猫を思わぬ事故から守るため
猫は好奇心が旺盛な動物です。落ちているものを誤飲することもありますし、狭い隙間に挟まってしまうこともあります。また、コードに絡まってしまったという事故も報告されています。
こういった事故は、発見が遅れれば命にかかわることもあります。危険な事故を防ぐために、危ないことを判断できるようになるまではケージは必須なのです。
子猫が安心できる空間をつくるため
新しい環境に来たときには、安心できる(ストレスを感じない)環境を作ってあげることが大切です。猫はもともと狭くて暗い場所が好きな動物ですから、そういった場所を作ってあげましょう。
また、警戒心が強い猫には、人間から隠れられる場所も必要です。子猫に、「ここに入っていれば安心」と思ってもらえるようにしましょう。
段階的にケージと放し飼いを使い分けよう
3か月を過ぎたら、部屋の中に危険がないかを十分にチェックし対策したうえで、少しずつ部屋の中で放してOKです。部屋の中の危険とは、各種電源コードが散らばっていないか、窓が開けっぱなしになっていないか、誤飲するようなものが落ちていないかなどです。
窓にはストッパーを付けておくか、鍵をかけておくようにしましょう。洗濯物を干すときも要注意です。猫は鍵がかかっていない窓を自分で開けることが出来ます。うっかりベランダに出てしまわないように気を付けてください。
7か月ごろまでは目の届く範囲でケージから出そう
生後半年を過ぎ7か月ごろになっても、まだ部屋の中での行動には注意が必要です。動物の成長は早いですが、まだまだ赤ちゃんです。家具と家具の隙間に首を突っ込んで出られなくなってしまった、という事例もあります。家の中に危険が無いことを、いつも確認しましょう。
いつまでケージを使う?撤去するべき?
様子を見ながら徐々にケージの外で過ごす時間を長くしていって大丈夫ですが、使う頻度が低くなった後もケージは残しておくのがおすすめです。アイロンがけをしたり料理をしたりなどの作業のときだけケージに入ってもらってもよいでしょう。
飼い主が長く家を空けるときには、いたずらや事故防止のためにケージの中に入っていてもらった方が安心です。
いつから子猫と一緒に寝られる?
猫と一緒に眠りたいと思う方も多いと思います。小さな猫をぎゅっと抱いて眠りたい気持ちは分かりますが、生後間もないときは、子猫の安全のために我慢しましょう。ある程度成長し、俊敏に動ける4~5か月ごろからなら大丈夫です。暑すぎず寒すぎないよう、かつ猫が自由に動ける環境で一緒に眠るようにしてください。
猫のケージを活用するシーン
不要になったケージは、場所を取るので処分したい…そう思う気持ちは解りますが、処分はちょっと待ってください。成猫になった後も、ケージは活躍することがあります。
最近は小さく折りたためるケージもありますから、普段はしまっておいて、必要なときにすぐに取り出せるようにしておいた方が、なにかあったときに便利です。ではどんなときにケージが必要になるのか、以下に説明いたします。
災害時
地震や火事に見舞われて避難が必要になったときには、猫を抱えて避難するよりもケージに入れて避難したほうが安全です。また、避難先でもケージに入る必要があります。
避難先には猫が苦手な人やアレルギーを持っている人がいるかもしれませんし、周りに知らない人ばかりだと、猫もストレスを感じます。そういったときのために、普段からケージに慣れておくと安心です。
病院に連れて行くときやペットホテル
家から移動するときや、飼い主の旅行などでペットホテルを利用するときのためにも、ケージに慣れておくと良いでしょう。病院に行くときは車や電車を使うことが多いでしょうから、安全に移動するためにもケージは必須です。
また、飼い主が旅行に出るとき、連れていけない場合はペットホテルに預けることもあるでしょう。ホテルでは基本的にケージに入ったままですから、慣れておく必要があります。ペットホテルではなくほかの家族や友人に預けるときも同様です。
猫を車で移動させるときは猫用キャリーバッグを使う方が多いですが、長距離の移動のときは布製のポータブルケージなどを使うとゆったりとしているので猫ちゃんもくつろげるでしょう。
アイロンがけや料理をするとき
ケージの外で飼うようになっても、必要に応じてケージに入ってもらえれば危険を回避出来ます。上記にも少しありますが、アイロンがけをするときや料理をするときにはケージの中にいてもらった方がお互いに安全です。
特に料理中は、猫に良くない食材(玉ねぎが代表的)がぽろっと落ちてしまうことがあるかもしれません。誤飲をすると命の危険に直結することもありますから、気を付けるに「過ぎる」ということはありません。
猫が病気になってしまったとき
猫が病気になってしまった時も、ケージは安静にゆっくり休める場所になります。弱ってしまった猫は、人間の相手をする気力も体力もありません。また、怪我をしているときに歩き回るのを阻止するためにも、ケージに入ってもらっていたほうがいいでしょう。
先住猫との隔離が必要なとき
先住猫がいる場合は、猫同士が慣れるまでケージが必要な場合が多いです。猫は警戒心が強く臆病な一面を持っていますから、お互いが「敵ではない」と認識するまで、新しく迎え入れた猫にはケージに入ってもらっておいた方が、ケンカを防げます。
お留守番をするとき
飼い主が長く留守にするときにも、ケージに入れておきましょう。危険な目に遭ったり、いたずらしたりするのを防止できます。かわいいいたずらで済むならともかく、命の危険にさらされるような事故も起こりえますから、必要に応じてケージに入ってもらってください。
まとめ
子猫にとってケージがいつまで必要なのか、またケージの必要性について紹介してきました。
せっかく迎え入れた猫がケージに閉じこもったままでは寂しいですし、一緒にたくさん遊びたいと思うかもしれません。しかし子猫の命を守るためですから、必要なときには必ずケージに入ってもらいましょう。
ケージを上手に活用して、猫の安全を確保してくださいね。