こんにちは。クボタです。
今猫を飼ってらっしゃる方は、もう1匹飼いたいとか思ったことありませんか?
もう1匹飼うとしたらどの品種にするか迷ってしまいますね。
日本にいる猫の品種の人気ランキングは以下のとおりです。
- 雑種
- スコティッシュフォールド
- アメリカンショートヘア
- マンチカン
- ノルウェージャンフォレストキャット
日本では雑種猫が人気です。
実に日本に存在するイエネコのうち80%が雑種であると言われるほどの人気品種なのですよ。
雑種猫の魅力はどこにあるのでしょうか?
今回は雑種猫の長所や魅力について書きたいと思います。
そもそも「雑種」とは何か
雑種とは異なる品種同士の交配によって生まれた猫のことを言います。
辞書で「品種」という言葉を調べると以下のように書かれています。
作物の栽培または家畜の飼育,あるいはそれらの利用上,一定の特徴に基づいて同一の単位として分類される個体群。生物分類学上の種,亜種,変種などの区別は,形態的変化と生態的特徴を基準とするのに対して,品種は外観上同一の生物でも,生育の遅速,成熟期の早晩,種々の障害に対する抵抗性,収量,品質,色沢,香味など,栽培,飼育,利用上の相違を考慮した基準。一つの種「イネ」に属する水稲の品種は三千余に及ぶといわれる。
出典:ブリタニカ国際大百科事典
つまり、「種」「亜種」「変種」というのは生物分類学上のアカデミックな区分ですが「品種」は経済活動の要素が入るってことですね。人間が売ったり買ったりするために便宜上作った区分とも言えると思います。
例えば「イネ」という植物ならば、その中に「ジャポニカ」と「インディカ」という亜種があります。インディカ米とか聞いたことあるでしょ?
一方、イネの品種とは「コシヒカリ」とか「ササニシキ」とか「ひとめぼれ」とかになります。
これは猫で言えば、いま世界中で人間に飼われている「イエネコ」という動物は全て「リビアヤマネコ」という種であり、イエネコはリビアヤマネコの亜種ということになります。
そしてイエネコの中にアメリカンショートヘアとかノルウェージャンフォレストキャットとかの「品種」が存在しています。
雑種とはそのアメリカンショートヘアであるとかノルウェージャンフォレストキャットであるとかの異なる品種同士の交配によって生まれた種を言います。
別の言い方をすれば「血統書が無い猫=雑種」と言うことができます。
その猫がアメリカンショートヘアとかノルウェージャンフォレストキャットの純血種であるというのは血統書登録団体によって保証されることで証明されるものですから、逆に言えば血統書が無い猫は品種が混じってる可能性があり、雑種であるというわけです。
雑種猫の魅力とは
雑種猫はなぜ人気なのでしょうか。
雑種猫は純血種の猫に比べて以下の長所があります。
病気に強い
一般的に純血種の猫は病気に弱いとされています。
純血種の猫はその品種の定義(スタンダード)を守るように交配されるので血が濃くなりやすく、遺伝的な疾患が出やすいです。
また、スコティッシュフォールドやマンチカンなどの骨格に特徴的な形質を持つ品種は、骨の突然変異を利用したものなので、足の骨などに遺伝的な疾患が出やすいです。
一方、雑種猫はさまざまな異なる遺伝子が混じり合っています。
一般的に、遺伝子をどちらか一方の両親から受け継げば必ず形質が発現する遺伝の仕方を顕性遺伝、両方の親から同時に遺伝子を受け継いだときのみ形質が発現する遺伝の仕方を潜性遺伝と言います。
つまり両親が両方とも病気の潜性遺伝子を持っていた場合、子どもには遺伝病が発現してしまいます。しかし、片親に病気の潜性遺伝子が無ければ子どもには発現しません。
よって、遺伝子が遠いほうが遺伝病が発現しにくいのです。
雑種猫はさまざまな遺伝子を持つ品種の交配によって生まれるので遺伝病が発現しにくいです。
ここからはクボタの経験談になりますが、私が前に飼ってた猫は動物病院で里親募集されてた雑種でした。茶トラ白柄の可愛い子でね。
ストレスで膀胱炎になったり、晩年は脳に異常が出て頻繁に発作を起こしたりしましたが、なんだかんだで23歳まで長生きしました。
飼い猫の平均寿命は16歳ぐらいですから、かなり長生きしたと言えるでしょう。
今飼ってる2匹は純血種ですが、前の猫と比べてもやはり体の強さに差があると感じます。それは遺伝病だけではなくて細菌に対する抵抗力とか免疫力自体が純血種は弱いです。
前の猫は数年に1回ぐらいの頻度でしか病院のお世話にはなりませんでしたが、今の2匹は特にフレイくんが体調を壊しやすく、頻繁に血便を出します。
今は落ち着いていますが、フレイくんが子猫のころは1ヶ月に1回は病院で整腸剤をもらっていました。
もちろん体の強さというのは個体差があるものですから、雑種だからといって必ず病気になりにくいというわけではないです。しかし、統計的に見たときに雑種にそういう傾向が強いことは間違いないようです。
体の強い子も弱い子もみんなかわいい猫です。あなたが縁あって猫を飼うことになったとしたら、体が強かろうが弱かろうがその子はあなたの子であり、あなたのところに来たのは運命的に意味のあることなのです。
しかし、これから飼うのであれば、できれば丈夫で健康な子に来てもらいたい、我が子には長生きしてもらいたいというのが人情というもの。
そういう方には雑種猫がおすすめです。
値段が安い
雑種猫のもう1つの長所として迎える時の値段が安く済むということがあげられます。
動物愛護活動家が募集している里親募集はほとんどが雑種猫です。
平成27年度のさいたま市の調査によれば、保健所が収容した猫のうち99%が雑種だったそうです。
他の自治体も似たような感じでしょう。
逆にペットショップで売ってるのはほとんどが純血種です。
雑種猫を迎えるとなれば必然的に動物愛護活動センターや活動家から譲渡を受けるか、自分で野良猫を保護して飼うということになるでしょう。
活動家から譲渡を受ける際にはワクチン代や避妊去勢代を請求されることが多いですが、せいぜい2万円か3万円程度です。
ペットショップの猫が10万円以上で売ってることを考えるとかなり安いといえるでしょう。
うちの前の猫は動物病院でタダで貰ってきました。もちろん貰ってからワクチンや避妊手術を自腹で受けさせたのですが、猫自体の値段はタダです。
わさくんが15万円、フレイくんが22万円だったことを考えるとかなり安上がりですね。
雑種猫のデメリット……
猫に限らず何でもそうですが、物事には必ずメリットとデメリットがあります。
雑種猫にもやはりデメリットは存在します。
審査が厳しい
動物愛護センターや保護活動家から猫を譲渡してもらうには、猫を飼うのに適しているかどうかの審査があります。
この審査がかなり厳しいです。
年収や家族構成、住居まで一通りチェックされます。
私のような一人暮らしはそれだけで門前払いです。
ペットショップではお金さえ出せば売ってくれますが、里親募集は収入や人間性を判断されます。
しかし、これは仕方のない面もあります。無料で猫がもらえるとなると、やはり虐待魔とか適当に飼う人とか変な人がたくさん寄ってくるらしいのです。
ペットショップではお金というハードルがあるので低収入な人や変な人はある程度はフィルタリングされますが、里親募集はそれがありませんから審査が必要なのですね。
知人が動物愛護センターから猫を譲渡してもらったのですが、家族全員参加の面接があり、収入面や家族構成や家をどれくらい留守にするかを詳しく聞かれたそうです。
また、他にケージ飼いをすることや、避妊去勢手術をすること、3ヶ月後に経過報告をすることなどが契約条項としてあったようです。
譲渡後の保護主の過干渉&トラブル
厳しい審査をクリアして晴れて猫ちゃんが家に来ても、そのあとでトラブルに発展するケースも少なくないようです。
なぜかというと保護主が里親に定期的に生活状況の報告を求めたり、猫の写真をメールで送るように求めるという過干渉をしてくる場合があるためです。
これも審査と同じように虐待とか間違った飼い方を避けるためのものなのですが、一般市民が抱く猫の譲渡のイメージと違うため揉めることがあるようです。
保護猫活動にあまり詳しくない一般の人は「猫は物である」という認識がまだまだ強いと思います。「貰ったらそれで終わり。バイバイ」というわけですね。
しかし、里親に限らずペットショップでもブリーダーでも、猫を迎えたら迎えた後も慣れるまでは元の飼い主とやり取りしながら飼うのは必須です。その猫のことを一番良く知ってるのは元の飼い主の方だからです。
うちの2匹はブリーダーから買いましたが、そのブリーダーさんとは3年経った今でも未だにお付き合いがあり、LINEで話したりします。
飼い方がわからないときの相談に乗ってもらったり、逆にお仕事の話を頂いたりということもあります。
そこまで濃密な付き合いをしろというわけではありませんが保護団体にしろ活動家にしろ「貰ったらもう関係ない。さようなら」というわけにはいかないです。最低でも何ヶ月かはやり取りを続ける必要があるでしょう。
そのためにも猫を貰うときには保護主の方の人柄も見るようにしましょう。信用できないとか違和感を感じるなどがあったらその猫は諦めたほうがいいです。後々、トラブルに発展する可能性があります。
まとめ:雑種猫はすばらしい
今回の記事では雑種猫の魅力について書かせていただきました。
デメリットもありますが、多くは保護主とのトラブル……流通経路に関するリスクです。事前にサイトやブログなどで情報を調べた上で譲渡を受けてください。
保護団体や保護活動家は営利団体ではないので、ペットショップのような感覚で行くとかなり面食らうことがあります。
どのように保護猫を迎えるかについてはまた後日詳しく記事にします。