猫はしっぽで気持ちを表現すると言われています。
犬がしっぽを振る時、一般的には嬉しい時ということが知られていますよね。
では、猫がしっぽを振る時は一体どう思っていて、どのように接してあげたら良いのでしょうか。
「猫の気持ちを知りたい」、「もっと猫と仲良くなりたい」という人は是非この記事を読んでみて下さいね。
猫のしっぽは何のためにあるの?
猫のしっぽを可愛いと感じる人は多いはず。
しかし飾りでついているのではなく、猫にとっては生活する上でとても大切なツールです。
それでは、実際に猫のしっぽがどんな役割をしているのか詳しく見ていきましょう。
バランスを保つ
生活する上で一番重要な役割として、バランスを保つことが挙げられます。
狭い場所や不安定な場所でもスイスイ歩けるのは、素早くしっぽを動かして骨盤を調整しているからなのです。
高いところに登ったり落ちそうになったりした時も、しっぽを使って瞬時にバランスを保っています。
マーキング
猫がスリスリしているところは見たことがありますよね。
人や物、壁にもしっぽを擦りつけているのは、マーキングしているからです。
猫の体には臭腺が数カ所ありますが、比較的自在に動くしっぽを使うことが多く、擦りつけたり巻きつけたりして自分の所有であることをアピールします。
飼い主にスリスリしてくるのは、甘えるのと同時に「この人は私の〜♪」と言われているようなものですから、嬉しいですよね。
寒さ対策
ふわふわのしっぽはとても暖かく、寒さが苦手な猫にとって大切な防寒具となります。
丸まって、しっぽを巻きつけながら寝る姿は、まるでマフラーをしているよう。
もともと寒い国で生まれたノルウェージャンフォレストキャットなどの長毛猫は、しっぽも立派な毛で覆われていてとても暖かそうですよね。
感情を表現する
猫は、感情を表現するためにもしっぽを使います。
しっぽを振るだけではなく、パタパタと音を立てたりピンと伸ばしたり、色々な動きをさせて意思を伝えているのです。。
ポーカーフェイスのままなので、嬉しいのか怒っているのかわかりづらいこともありますよね。
しっぽの動かし方によってどんな気持ちでいるのか、詳しくは次で説明します。
しっぽを振る時の気持ちは?動作別に解説します
猫はしっぽの振り方や動かし方で、様々な感情を伝えようとしています。
「喜んでいるかと思っていたら実は怒っていた」ということがないように、動作別に猫の感情を解説していきます。
しっぽを振る動作
大きくゆっくり振る
ゆったりとした動きでしっぽを振っている時は、リラックスしている時です。
しつこくして機嫌を損ねるといったことがないようにしましょう。
クネクネさせる
遊びたくて、うずうずしている時です。
しっぽをクネクネしながら近づいてきたら「遊ぼうよ!」と誘っているサインかも。
大きく早く振る
犬がしっぽを激しく振る場合は嬉しさを表現していますが、猫の場合は反対の意味になります。
特に床を叩くようにバタバタと大きく振っている時は、怒っている時です。
ストレスが溜まってイライラしている状態なので、落ち着くまでそっとしておいてあげましょう。
ちなみに、抱っこをした時にブンブンと激しくしっぽを振った場合は嫌がっている可能性が高いので、嫌われる前に解放してあげましょうね。
座ってゆっくり上下に振る
座った状態でパタリ・・・パタリ・・・とゆっくり動かしている時は、考え事をしている時です。
「なにして遊ぼうかなぁ」「そろそろオヤツかなぁ」と猫が考えているのを想像すると楽しいですよね。
しっぽの先端をピクピクさせる
上記の「パタリ」と同様、考え事をしている時です。
特にしっぽの先端をピクピクさせているのは集中している時なので、邪魔しないようにしましょう。
寝ている時に小さく振る
寝ている時に猫を呼ぶと、しっぽの先だけを使って小さく振ることがあります。
これは「うるさいなぁ」や「めんどくさいなぁ」のサインです。
呼ばれているのはわかるけど面倒で起きたくない・・・なんだか人間の「あと5分だけ〜」に似ていますね。
しっぽを立てる動作
垂直に立てる
しっぽを上に向かってまっすぐピーンと立てている時は、嬉しい時や何かおねだりしている時です。
また、友好的な挨拶の意味もあります。
猫同士がこの動作をしていたら、「やぁ、調子はどうだい?」なんて会話が聞こえてきそうですね。
しっぽを立てて震わせる
立てたしっぽをプルプルと震わせる時は、嬉しくて興奮している時です。
窓辺で外にいる鳥などを見つけた時なども、このような動きをすることがあります。
しっぽを下げる動作
だらんと下げる
落ち込んでいる時か、もしくは調子が良くない時です。
体の具合が悪い可能性もあるので、元気や食欲がないようなら様子を見て、異変を感じたら動物病院へ連れて行ってあげましょう。
足の間にはさむ
しっぽを下げて足の間にはさむようにしている時は、怖い時や不安な時です。
また、抱っこした時にしっぽをお腹につけるような動作をしたら、抱っこが苦手な子かも知れません。その場合できるだけ抱っこは控えましょう。
その他の動作
しっぽが膨らむ
ボワッと毛を逆立てている時は、威嚇している時です。
驚いた時や怖い時、遊んで興奮しすぎた時もしっぽが膨らむことがあります。
しっぽを巻きつける
座って足を包むようにしっぽを巻きつけている時は、安心している時です。
すぐに動き出す必要がない、安全な場所にいると認識しています。
なんだかとてもお上品に見えますよね。
猫のしっぽはなぜこんなに動くの?
猫のしっぽは意外に複雑な構造で、神経が通った尾椎と呼ばれる骨と、尾椎の周りに大きく分けて6種類の筋肉がついて形成されています。
尾椎の数はしっぽの長さによって異なり、長いしっぽで18〜20個。
小さな骨同士がゆとりをもちながら繋がっているため、クネクネとしなやかな動きをさせることが可能です。
ところで、猫の腰からお尻あたりを触るとどういう反応をしますか?
気持ち良さそうにする子、ムズムズ動いて嫌がる子、無反応な子など様々です。
猫のしっぽ周辺は非常にデリケートなので、猫によっては気持ち良く感じたり刺激が強すぎたりするのですね。
余談ですが、江戸時代の日本では長いしっぽの猫は、年をとるとしっぽが2つに分かれて猫又(猫の妖怪)になると言い伝えられていました。
そのため短いしっぽの猫のほうが可愛がられていたそうです。
きっと柔軟で巧妙すぎる動きが、当時の日本人にはどこか不気味に見えたのでしょうね。
現代では、肉球に負けないくらい可愛いチャームポイントとして愛されています。
しっぽの動作から猫の気持ちを読み取ろう
当たり前のことですが、猫は人間の言葉を話せません。
しっぽの動きなどを見て、飼い主のほうから感情を読み取ってあげましょう。
時にしっぽは、猫の体調を知るバロメーターとしても役立ちます。
言葉が話せなくても、しっかり伝えようとしてくれているのです。
細やかな気配りをしてあげることで、きっと猫のほうも愛情を返してくれますよ。