こんにちは。クボタです。
あなたの猫ちゃんにはマイクロチップは付けてらっしゃいますか?
うちの2匹にはもちろん付けてます。
マイクロチップ装着義務化のニュースを見ていて、大手新聞社が批判的な論調であることに驚きました。
一部のごくまれな失敗例をさも全体的な懸念事項のように誇張して伝えていて、偏向的であると感じます。
マイクロチップはメリットのほうが圧倒的に大きいです。
この記事ではなぜ猫にマイクロチップをつけたほうがいいのか、その根拠をお伝えします。
マイクロチップとは?
新聞社の論調や朝の情報番組のコメンテーターの言うことなどを聞いていると、どうもマイクロチップというものを誤解しているんではないかと思える言説が多々ありました。
そこで、前提としてまずマイクロチップとはなんぞやということを説明します。
マイクロチップの機能
マイクロチップとは一言でいうと「体に埋め込まれた迷子札」です。
これがマイクロチップです。
長さ1センチ、直径2mmほどの円筒形のチップ。これを猫の首筋の皮膚の下に埋め込むのです。
このチップには個体識別番号が登録されています。
マイクロチップを埋め込んだあと、リーダーを皮膚の上からかざすとピッと言う音がして番号が表示されます。
その番号を日本獣医師会のデータベースで照合すると、飼い主の住所や氏名、連絡先がわかるという仕組みです。
なぜマイクロチップを取り付けたほうが良いのか
一言でいうと「災害対策」です。
災害時に猫ちゃんと離れ離れになってしまう飼い主さんがほんとに多いのです。
熊本地震のときには犬1094頭、猫1405頭が自治体に保護されたそうです。
そのうち犬は400頭が飼い主のもとに返されましたが、猫はたった11頭しか返すことができませんでした。
なぜそれだけの差が生じたか。
犬は368匹が迷子札やマイクロチップをつけてましたが、猫は13頭しか付けてなかったのです。
それが明暗を分けた。
つまり、災害時に迷子札やマイクロチップを付けてない状態で行方不明になると、ほぼ戻ってこない、ということが言えます。
なぜ迷子札ではダメ?
迷子札よりも圧倒的にマイクロチップのほうが優れています。
個人情報の問題
迷子札とは猫の首輪に名札をつけ、飼い主の氏名と連絡先を書いておくものです。
しかしながら、それでは個人情報が歩き回っているのと同じです。
良い人が見つけてくれたなら問題ありませんが、悪い人が見つけると個人情報が悪用されてしまう危険があります。
マイクロチップの場合は個人情報が中に記録されているわけではありません。
チップの中に入っているのは15桁の識別番号で、この15桁の番号を日本獣医師会のデータベースで照合して初めて個人情報がわかるのです。
日本獣医師会のデータベースには保健所や動物病院など公的な機関しかアクセスできませんから、個人情報は守られるというわけです。
事故の問題
猫の首輪はおしゃれでかわいいですが、事故の危険性が高いです。
家の中でカーテンレールに乗って遊んでるときに、誤って足を滑らせて首輪がレールにひっかかり首吊状態になって死亡した事例が報告されています。
最近の首輪はそういう事故を考慮して力が加わると外れる構造になってますが、それでは行方不明になったときにも少しのはずみで外れやすいってことですから迷子札の意味がないです。
行方不明になった猫を毎日探してたら外れた首輪だけ発見したってこともあるかもしれません。
マイクロチップに対するよくある誤解
GPSで居場所を特定できる?
マイクロチップにGPSはついていません。
リーダーで読み取ると識別番号がわかるだけです。
識別番号をデータベースで照合すると飼い主の情報がわかります。
なので、行方不明の猫を誰かが拾ってくれて、保健所や動物病院に連れて行ってくれて、はじめて身元がわかります。
「行方不明になってもスマホで居場所がわかる」ということはありません。
個人情報が漏れない?
上で書いたように、マイクロチップには個人情報は入っていません。
マイクロチップに入っているのは15桁の識別番号だけです。
識別番号を照合するデータベースは保健所や動物病院など限られた人しかアクセス権がありませんので、個人情報は守られます。
猫の盗難にも対応できる?
マイクロチップは猫の盗難には対応できません。
マイクロチップが対応できるのは、猫を保護してくれた方が保健所や動物病院に連絡してくれた場合のみです。
「この猫はかわいいから自分で飼ってしまおう」と飼い始めてしまった場合は居場所がわかりません。
マイクロチップのデメリット
健康被害は?
2015年のイギリス政府の報告によると猫にマイクロチップに入れた際に健康被害が起こったケースは21件あるようです。
いずれも挿入した箇所が腫れたり炎症を起こしたりと言ったもので、命に関わったケースはまだ無いみたいです。
イギリスでどれだけの猫にマイクロチップを入れたのかは正確なデータが無いらしいのですが、推定値によると750万匹と言われています。
これによって計算すると健康被害が起こるケースは35万回に1回ということになり、ほぼゼロとみなしてよい低リスクかと考えられます。
猫の全身麻酔の死亡事故の確率が1000回に1回ですから避妊去勢手術などよりもよほどの低リスクであり、心配はいらないかと思います。
体の中で移動したりしない?
これについても報告例はあるようです。
上述したイギリス政府の報告書によると、入れたはずのマイクロチップが読み込めなかった事例は猫で145件発生しています。
ごくまれにですが、チップが移動して位置がわからなくなる場合はあるようですね。
ただ、犬に比べたら猫は移動しにくいみたいです。
マイクロチップの取り付け方
猫にマイクロチップを装着するのは医療行為ですので、獣医師免許を持った獣医さんでないとできません。
太めの注射器のような器具を使って、マイクロチップを首筋の皮下に挿入します。
時間はほんの数秒で終わります。
消毒して器具を刺してピューと入れる、それで終わりです。
お医者さんによっては痛くないように皮膚に塗るタイプの麻酔をしてくれる方もいらっしゃるそうですが、うちの2匹に入れたときには特に麻酔はしませんでした。
しかしながら、2匹とも特に痛がることもなく、うんともすんとも言わずに終わりました。
ただそれ以降何ヶ月かの間、病院に行くのを特に嫌がるようになったので、何らかの不快感があったことは事実のようです。
鳴き声をあげるほどの痛みは無かったのでしょうが、チクッとは痛んだのかもしれません。あるいはチップが体内に入ってくる感触が気持ち悪かったのかもしれないです。
マイクロチップの費用
装着費用は病院によって違いますが、1匹につき5000円程度であることが多いです。どんなに高い病院でも1万円以上はしないと思います。
また、データベースの登録料が1000円かかります。
自治体によっては助成金が出るところがあります。例えば京都市は装着料を全額助成してくれるので、登録料の1000円だけで付けることができます。
まとめ:マイクロチップはつけるべき
マイクロチップは行方不明になった猫の身元がわかる装置です。
万能ではなく、健康被害の可能性も極わずかながらありますが、装着によるメリットが圧倒的に大きいです。
猫ちゃんの安全を守るためにも、マイクロチップをつけてあげましょう。