液体、とも称されることのあるほど身体のやわらかい猫。くにゃっとお腹を見せてくれること、ありますよね。
かわいいし、癒されるし、心を許してくれているようでとても嬉しくなる瞬間です。出来ることならずっと眺めていたい、ずっともふもふしていたいという人も多いのではないでしょうか。
ところで、猫がどうしてお腹を見せるのか、そのときどう接すれば一番猫を喜ばせてあげられるのかご存知でしょうか?
当記事では、お腹を見せている猫への対応方法を紹介します。
猫がお腹を見せる5つの理由
猫がお腹を見せているのには、大きく5つの理由があるとされています。成猫よりも子猫の方がお腹を見せることが多いということも判っています。この理由について、一つずつ説明していきますね。
安心している
周りに危険がなく、安心しきっている状態のときにお腹を見せる子が多いです。完全にリラックスしているということですね。
飼い主が、その子にとって安心できる場所を提供できているという証明にもなります。自分の近くがそんな場所だと考えると、顔がほころんでしまいますよね。ぎゅっとしてあげたくなります。
信頼している
お腹は、猫のみならず多くの生き物にとって急所です。
その急所であるお腹を無防備にさらしているということは、それだけ飼い主を信頼してくれているという証拠です。
お腹を見せてくれる猫にとって、飼い主はもう信頼できる相手なのでしょう。
多くの飼い主にとって、猫はただのペットではなく大切な家族です。飼い主の一方通行ではなく、猫の方も家族と思ってくれているのなら、とても嬉しいことではないでしょうか。
甘えている
子猫は、特に母猫に甘える際にお腹を見せます。それを飼い主にもしています。
どんな生き物も、子どものうちは「お母さん」には無条件に甘えたくなるものです。母親と同じ愛情を、飼い主にも求めているのですね。
そう思うと、ただでさえかわいい猫がさらにたまらなくかわいく見えてくるのではないでしょうか。
かまってほしい
当然ながら、猫はしゃべれません。「かまって、遊んで」と言えないので、態度で示すのです。
お腹を見せているときも、かまってほしいアピールをしている場合があります。しゃべれない分、態度で「かまってかまって」と必死に訴えているのです。
もちろん飼い主にとっていつでもちょうどいいタイミングであるとは限りませんが、出来る限りかまってあげましょう。
暑い
甘えているのではなく、単に暑くて体温調節するためにお腹を出している場合もあります。
これは夏が多いですが、冷たいフローリングなどにべたっと横になってお腹を出しているときは、暑がっているとみていいでしょう。クーラーを付けてあげたり、風通しを良くしたりして協力してあげてください。
そして、そういうときにはあまり構わず放っておいてあげてください。年中毛皮を着ているのですから、夏は暑くて当然です。暑くて気だるいときには、猫も人間の相手はしていられないのです。
猫がお腹を見せるときは撫でてもいい?
猫がお腹を見せているとき、飼い主はどうするのが一番いいのでしょうか。
遠慮なく撫でるべき? 様子見? 暑いなら放っておく?
お腹を見せているタイミングや猫の性格によって迷うこともあるでしょう。どのように接すればいいか、注意点なども次に説明していきます。
基本的には撫でてあげてOK
基本的には、撫でてあげてOKです。前述している通り、お腹を見せてくれるのは信頼関係が築けている証拠です。猫の性格にもよりますが、撫でられるのが好きなら喜んでくれます。
気持ちよさそうに目を細めたり、ごろごろと声を出してくれたりすれば喜んでくれていると思っていいでしょう。ただ、猫によっては「少しだけ撫でてほしい」という子もいるので、見極めは大切です。
寝ている間は触らない
お腹を出しているからといっても、寝ている間は触らないようにしましょう。飼い主に悪気はなくてもびっくりさせてしまって、気の弱い猫ならトラウマになってしまうこともあります。
もう人間の前では寝てくれないことにもなりえますし、ケージや猫タワーに閉じこもってしまうこともあります。最悪の場合、寝ぼけて人間に攻撃してしまいかねません。飼い主にとっても危険ですので、寝ている間は極力放っておいてあげましょう。
嫌がったらすぐにやめる
自分から甘えておいて…となるかもしれませんが、猫という生き物は多くの場合気まぐれです。甘えたいしかまってほしい、無視されるのは嫌、こっちを向いていてほしい、でもだからと言ってお腹を触られるのは嫌い、という猫も多いのが現実です。
少しでも嫌がったらすぐにやめましょう。築き上げた信頼関係にひびが入ってしまいます。しつこくするともう近寄ってくれなくなりますので、適切な距離を保ってください。
猫が喜ぶお腹の撫で方
「甘えてくれているのだから撫でてあげたい…!でも怖がらせたり嫌がられたりはしたくない…。ああでも、出来ればずっと触っていたい!」
そんな方のために、上手な撫で方を以下に説明します。
優しくゆっくりと撫でる
猫のお腹は柔らかく、非常に繊細な部位です。出来るだけ優しく触るようにしましょう。力を入れすぎず、ゆっくりと、毛並みに逆らわないように撫でてあげてください。
冷たい手でも触らないほうが良いでしょう。冬場など、自分の手が冷たいときは、少し温めてから触ってあげてください。
また、猫の方からお腹を見せてくれているとき以外は撫でないことが鉄則です。警戒されてしまいます。強引に自分の膝の上に乗せるのも避けましょう。爪を立てられて怪我をしてしまう可能性があります。
まずは脇腹から撫でる
いくら自分からお腹を見せてくれていたとしても、いきなりお腹から触ると驚かせてしまいます。せっかくリラックスしているのに緊張させてはかわいそうですよね。
撫でるときはまず体の側面や脇腹、あごの下や顔周りから撫でてあげてください。力を入れすぎず、そっと撫でるようにしましょう。
嫌がらなければお腹も撫でる
脇腹やほかの場所を撫でても嫌がらなければ、徐々にお腹を触っていっても大丈夫です。
猫の性格にもよりますが、喜んでいるようなら優しくこしょこしょとしてあげましょう。目を細めて気持ちよさそうにしたり、甘えた声を出したりしたら、喜んでくれています。
このとき、もしもお腹を触った瞬間に痛がるようなそぶりを見せたら、なにか病気を疑ってもいいかもしれません。猫の身体を触るということは、単なるスキンシップではなく体調管理の側面もあります。猫が嫌がらなければ身体全体を触り、ぶつぶつや腫瘍が出来ていないかチェックすることも、飼い主の大切な役割です。
まとめ
相手が嫌がることをしないという点では、人間も猫もスキンシップの仕方は同じです。ただ、猫は自分本位で気まぐれな生き物ですから(そこがまさにたまらなくかわいいポイントなのですが)、たった今気持ちよさそうにしていたのにもう離れようとする、ということもあるでしょう。
噛む仕草を見せたりしっぽを大きく振り始めたりしたら嫌がり始めているので、さっと手を引きましょう。
こちらが嫌なことをしないということが解ってくれば、猫も自然と心を開いてくれます。
せっかく出会った大切な命ですから、長く仲良くしていきたいですね。