猫には長毛種と短毛種がありますね。一般的には短毛種のほうが人気ですが、長毛種はいったん魅力にハマると抜け出せなくなります。
その長毛種の猫の中で最も人気の種類の1つと言っても過言ではないのがノルウェージャンフォレストキャットです。
ノルウェージャンフォレストキャットを飼いたいと思っている方も多いと思います。
そこで、この記事では、ノルウェージャンフォレストキャットについて、全般的な知識を解説します。ぜひ検討の参考になさってください。
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ノルウェージャンフォレストキャットの歴史
ノルウェージャンフォレストキャットは、北欧神話に登場するほど歴史が古いと言われている猫です。
女神の戦車を牽かせていた猫であったり、雷神でさえ持ち上げられないほど大きな猫であったりと、神話からはその体格の良さがうかがえます。
ルーツとしては11世紀頃にトルコからノルウェーに持ち込まれた説や、ヨーロッパ南部の短毛猫が祖先だという説など諸説ありますが、はっきりしたことはわかっていません。
狩りの能力が高くもともとは森で狩りをして生活していたため、北欧の人々から「森林の猫」という意味の「Skogkatt(スコグカット)」と呼ばれていました。
船の上や農場でネズミを退治する猫として屋外で飼われるようになり、とても重宝されたそうです。
北欧の厳しい冬の寒さに耐えられた猫たちが血をつなぎ、被毛は厚く、大きな体格へと発達していきました。
ノルウェーを代表する猫として1930年代から保護・育種が始まりましたが、第二次世界大戦で中断されて一時は絶滅の危機まで陥ります。
しかし1975年から活動が再開され、1977年にはノルウェーで正式に品種登録されました。
アメリカでは1984年にようやく登録され、ノルウェージャンフォレストキャットという品種が広く世界中で知られるようになったのです。
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ノルウェージャンフォレストキャットってどんな猫?身体的特徴を解説
被毛の特徴とバリエーション豊富な毛色
ノルウェージャンフォレストキャットの被毛は「ダブルコート」と呼ばれています。
水をはじく役割をする粗い長毛の「オーバーコート」と、防寒の役割をするふわふわの「アンダーコート」の二重構造です。
また、被毛は薄い皮脂で覆われており、これも防水・防寒に優れた特徴です。
毛色はソリッド(単色)・タビー(シマ模様)・バイカラー(2色)・キャリコ(三毛猫カラー)などがあり、日本では「ブラウンタビー&ホワイト」や「オレンジタビー&ホワイト」が多く流通しています。
他にもブラックやシルバーなどのシックな色から、レッドやクリームといった明るい色まで様々です。
どの色も個性的でバリエーション豊かなので、好みにあった毛色の子を探すのも楽しいですよね。
純血種ならではの顔つきとは?
ノルウェージャンフォレストキャットの顔は、真正面から見ると逆三角形になっています。
耳は大きめ、きりっとしたアーモンドアイ、額からスッと一直線に伸びた鼻筋。可愛らしいというよりは、クールで美しい顔という印象です。
ライオンやヒョウなどの動物にも見られる特徴ですが、森で狩りをしていたハンターとして適した顔つきといえるでしょう。
また、首の周りにはふさふさの飾り毛があり、ゴージャスで高貴な印象も持ち合わせています。
たくましい体つき
ノルウェージャンフォレストキャットは大型の猫種に分類され、骨太で筋肉が発達しています。胴長で、前足と比べて後ろ足のほうが長い腰高な体型も特徴的です。
体重はオスで5〜8kg、メスで4〜6kgほどで体が大きい分、完全に成長しきるまで3〜5年かかると言われています。
さらに、「ヨーロッパライン」と「アメリカライン」の2系統に分かれ、骨太で野性的なヨーロッパラインと比べてアメリカラインは少し華奢な体つきです。
かかりやすい病気は?肥満にも注意!!
大きな体でもふもふな毛並みが魅力的なノルウェージャンフォレストキャットですが、それゆえにかかりやすい病気もあります。
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【毛球症】
どの猫も頻繁に毛づくろいをしますが、特に長く厚い毛をもつノルウェージャンフォレストキャットは抜け毛の量が多いです。
毛づくろいの際に抜け毛を少しずつ飲み込んで、それが胃の中で塊(ヘアボール)となり、毛球症を引き起こします。
代表的な症状は嘔吐です。猫の毛は消化されないので、体外へ排出するために吐き出します。
また、便の中に毛が混ざっていることもありますが、毛の塊が大きくなりすぎるとうまく排便できず腸閉塞になり、腹膜炎を起こしてしまう場合もあるので注意が必要です。
【皮膚炎】
長毛のために毛玉ができやすく、固く絡み合った毛玉が引っ張られると皮膚がダメージを受けます。
また、日本のように高温多湿な地域では厚い毛の中が蒸れて雑菌が繁殖しやすく、皮膚炎を引き起こしやすいです。
【肥大型心筋症】
遺伝的な要素が関係しているとされる病気です。
この病気になると血液がうまく循環されず、血栓ができることによって心不全や呼吸困難など様々な症状を引き起こし、命に関わる場合もあります。
ある程度進行してから気づくことが多い病気のため、定期的に健康診断を受けて早期発見できるようにしましょう。
【糖尿病】
糖尿病もかかりやすい病気の一つです。
ノルウェージャンフォレストキャットは大型猫種で、その体格を維持するためにご飯をよく食べます。もともとは狩りをする猫だったので運動量が多く、たくさん食べてもバランスがとれていました。
しかし、ペットとして室内飼いされるようになったことで運動量が減り、太りやすい体質となってしまったのです。
糖尿病以外にも腎不全や骨折など、肥満が原因で様々な症状が引き起こされる場合があるため、日頃から体重の増えすぎに気をつけましょう。
大きいけれど運動神経は抜群!
ノルウェージャンフォレストキャットは運動能力が非常に高く、好奇心旺盛です。
高いところに登ったり狭いところに潜ったり、時には猛スピードで走り回ることもあります。
ストレス解消や肥満予防のためにも、広いスペース確保やキャットタワーの設置などをしてたくさん運動させてあげることが大切です。
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ノルウェージャンフォレストキャットってどんな性格?
実は寂しがりやで優しい性格
クールで野生的な顔からは想像しづらいですが、実はとても温厚で穏やかな性格をしています。人懐っこくて、他の猫や動物に攻撃をすることはほぼなく、社交的です。
好奇心旺盛で遊ぶことが大好きなため、子猫の時はヤンチャをするものの、大人になるにつれて落ち着く傾向にあります。
いっぽう忍耐強い一面もあり、寂しくても我慢してしまうなどストレスを溜めやすいので、適度なスキンシップを心がけてあげましょう。
知能が高い
猫より犬のほうが賢いと言われていますが、実は意外と猫も賢いのです。
特にノルウェージャンフォレストキャットは好奇心旺盛で人懐っこい分、人間の行動によく興味を持ちます。
「これをしたら褒めてもらえる」、「あれをしたら遊んでもらえる」など学習する能力が高いので比較的しつけがしやすく、上手く教えれば芸をさせることも可能です。
おもちゃを投げて「取っておいで」で持ってくる、フェッチングという遊びを覚えてくれることもあります。
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ノルウェージャンフォレストキャットの飼い方
ノルウェージャンフォレストキャットは人気が高いため流通量が多く、比較的手に入りやすい猫種です。
主にペットショップやブリーダーを通じてお迎えしますが、価格は大体15〜50万円と毛色や血統の良し悪しによって大きな差があります。
保護猫の譲渡会などでも出逢えることがありますが、見た目は似ていても純血でない場合があるので、純血にこだわるのであれば血統書がついた子を探すと良いでしょう。
ノルウェージャンフォレストキャットを飼うにあたって、特に注意することは5点。
ブラッシング、温度管理、スペースの確保、食事管理、コミュニケーションです。
それでは順番に解説していきましょう。
ブラッシングは欠かさずに!
ダブルコートのふわふわした被毛は毛玉ができやすく、放っておくと絡まりすぎて皮膚炎を起こす恐れがあります。また、毛づくろいで抜け毛を飲み込んでできたヘアボールによって、吐き戻しや胃腸に負担がかかることも。
一日一回はブラッシングして、毛の絡まりや抜け毛を除去してあげましょう。
暑さ対策を
ノルウェージャンフォレストキャットは極寒の地ノルウェーが原産なので寒さに強く、反対に暑さには非常に弱い猫です。
特に日本の夏は高温多湿ですのでエアコンを利用して快適な室温を保ち、熱中症の予防をしてあげましょう。
運動できるスペースの確保
たくさん運動することで肥満の予防やストレスの緩和につながります。
他の猫より運動量が多いので、広いスペースを確保してキャットタワーなどを設置し、たくさん運動させてあげましょう。
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食事に気を配ろう
健康で長生きするためには食事管理も重要です。
キャットフードの種類って、多すぎて迷ってしまいますよね。
そんな時はプレミアムフードを選ぶのがおすすめです。猫の種類ごとに原材料や形状を変えている専用フードも販売されているので、迷ってしまったら獣医師さんに相談してみて下さい。
おやつに関しては、あげすぎると肥満や消化不良の原因となります。しつけの時やご褒美として、適度な量を与えましょう。
また、人間用に味付けされたものは猫にとって塩分や添加物などが多すぎるため、絶対に食べさせてはいけません。他にもネギ類やチョコレートなど、猫に食べさせてはいけないものはたくさん存在します。
猫が届かない場所に保管するなど、注意が必要です。
適度なスキンシップを
ノルウェージャンフォレストキャットは人懐っこく、甘えん坊です。
遊んであげなかったり家をあける時間が多かったりすると寂しがりますが、我慢強い性格ゆえに寂しさを表に出せず、ストレスを溜め込んでしまいます。
とはいえ、執拗にしすぎるのは逆効果です。
適度なスキンシップで猫にとっても人間にとっても良い関係を築きましょう。
まとめ
この記事ではノルウェージャンフォレストキャットについて書きました。人気の猫ですが長毛種なのでお手入れや飼い方にコツがあります。しっかりと勉強してノルウェージャンと幸せに暮らしましょう。
他の品種については以下の記事をごらんください。