猫はあまり水分をとらないため、便秘になりやすい傾向があるといわれます。人間でも普段の食事などで配慮している人も多いかもしれません。
しかし、猫の便秘はどのように判断して対処していくのが良いのでしょうか。今回は、猫の便秘の判断基準や、健康に良いチュールなどをご紹介します。
猫の便秘はいつから?判断するポイント
便秘というのは、いつもより排便回数が減る、または排便しづらくなり腸に便が長い間とどまってしまう状態のことをいいます。
猫の排便がどのような状態であれば便秘と判断できるのか、判断するポイントを解説します。
3日以上間隔が空く
一般的に猫は1日に1~2回ほど排便します。猫の種類や大きさでも異なり、猫によっては2日に1回というパターンもあります。基本的には、丸 3日以上間隔を空けて排便していないようなら便秘の可能性が高いでしょう。5日以上間隔が空いていると便秘は確定です。
便秘の早期発見のためにも、普段から猫の排便リズムやトイレの滞在時間を知っておくことが大切です。
力んでいるのに便が出ない
トイレに行っても便が出ない場合は便秘の可能性があります。
その時、いつもよりも時間をかけて踏ん張っていたり、苦しそうに鳴いたりするかもしれません。便が出ず、一日に何度もトイレに行くこともあります。
おなかを触るとゴロゴロとした固い感触があったり、おなかを触られるのを嫌がったりするような猫もいます。
便が固い
排便があっても、固くてコロコロと乾燥した小さな便や細長い便しか出ない場合は、便が腸内に残ってしまっていて便秘の可能性があります。健康的な猫の便は、十分な水分を含んでいればツヤがあります。
猫には健康を維持できるライフスタイルをさせよう
猫が便秘になるのはいろいろな原因が考えられます。食事や生活習慣に配慮することで健康維持をしましょう。
水分を多めに与える
猫ちゃんの健康のために水を多めにあげることを心がけましょう。猫が1日に必要な水分量は、体重1kgあたり約50mlを目安と考えられているので、体重が5kgの猫の場合は1日に約250ml飲めるようにすると良いでしょう。
猫の先祖は砂漠で暮らしていたため、他の動物に比べると水分を多く摂取しなくても体が機能します。ただ、適度に水分を摂取できていないと、腸の中で便が硬くなって詰まってしまったり、排泄時に痛みを感じて排泄しづらくなったりして便秘になりやすいです。
水以外であれば、水分量が多いフードを増やすようにすると良いです。
フードを切り替える場合は、水分含有量の多いウェットフードをいつものフードに少量ずつ混ぜ、1週間以上かけて行うのがポイントです。猫の好みに合うか確認しながら進めると良いでしょう。
腸内環境を整える成分を増やす
腸内環境を整えてくれる成分が含まれている食べ物として、オリゴ糖や乳酸菌が含まれているものを意識して選んでください。
オリゴ糖は、お腹の健康を維持するために人間にとっても身近で、ジュースやお菓子にもよく入っている成分です。体内にある消化酵素では分解されず、そのまま腸に届くという特徴があります。大腸の中で乳酸菌・ビフィズス菌の餌となり、ビフィズス菌を増やすので便秘解消につながります。また、乳酸菌は腸内の善玉菌を増加させ、腸内環境をサポートしてくれます。
市販のキャットフードやおやつにもオリゴ糖や乳酸菌が含まれているものが多くあるので、猫の好みに合うものを選んでみてください。ペット用のサプリメントの活用もおすすめです。これらの成分が含まれているものをうまく取り入れて、腸内環境を整えてあげましょう。
運動を増やす
最近では、室内飼いの猫が増え、運動量が低下してしまう傾向があります。腸の動きが弱まって便秘になりやいので、キャットタワーやおもちゃで遊んでもらって、少しでも楽しく運動不足を解消できるように工夫しましょう。運動すると腸の動きが活発になり、排便を促してくれるようになります。
乳酸菌入りチュールでお腹の調子を整えよう
猫はいなばの「CIAO ちゅ~る」が大好物。
猫ちゃんには、「CIAO ちゅ~る 乳酸菌入り」という乳酸菌入りのおやつがおすすめです。
スティック1本に100億個の乳酸菌が入っていることと、水分量が多いので健康維持に良いといわれます。まぐろ・かつお・とりささみの3種類あります。
液状タイプで猫がペロペロなめながら楽しめるようになっています。美味しく食べながら健康にも良いので一石二鳥ですね。
乳酸菌入りチュールの効果を高める方法
本格的でなくても、お腹のマッサージで猫が気持ち良いと感じるところに触れることは、リラックス効果があります。5分~10分ほどでも良いので、マッサージをスキンシップに取り入れることで、乳酸菌入りチュールの効果を高めることが期待できます。
マッサージは猫の体調不良時は避けて行いましょう。マッサージに慣れていない猫は少しずつ慣れさせていきます。
① リラックスさせる
飼い主も猫もリラックスする必要があります。頭、前足、背中、しっぽ、後ろ足、と順に優しくなでます。
② わき腹をもむ
手を前後に動かし、優しくわき腹を揉んで、さらに、おなか全体を揉むと腸を刺激できます。
③ 時計回りに「の」の字でおなかをなでる
横向きやあおむけにして、おへそを中心に指先で「の」の字を書いて、時計回りにお腹をなでます。もし嫌がる場合は、後ろ足の付け根付近を背中側から優しく揉みます。
お腹を触られると嫌がる猫も多いので、片手でチュールを持って猫を抱っこし、猫がチュールに夢中になっている間にお腹をやさしくマッサージするといいでしょう。
猫が便秘になってしまったらすぐ病院へ
生活習慣や食生活を調整しても一時的なストレスなどで便秘になる場合があります。猫が便秘になってしまったら無理に家庭で改善しようとせず、すぐに病院に連れて行きましょう。
病院を受診して、何が原因で便秘になっているか調べてもらう必要があります。
あまりに便が硬くなり過ぎた場合、浣腸で便を摘出する処置を行うことにもなりますが、猫の身体にも負担が大きく危険なので、必ず動物病院で処置してもらうようにしましょう。
ときには、飼い主の思っている以上に危険な病気の可能性もあります。慢性的な便秘、食欲がない、嘔吐や下痢も伴っている、便に血が混じっているなどは病気の可能性があります。
巨大結腸症や大腸がん、腎臓病などの病気が隠れていることもあるので、発見が遅れないよう早めに診察を受けましょう。
また、猫は環境変化に敏感な生き物なので、ストレスが原因で便秘になることもあります。トイレが汚れている、トイレの場所・容器・砂などが気に入らない、トイレで嫌な思い出があるなど、トイレ環境に問題や変化などのストレスがないかも気にかけてあげましょう。
まとめ
猫はもともと便秘になりやすい動物なので、普段から生活習慣の改善を心がけ、食欲や排泄パターンに変化があった場合には早めに気づいて対処できるようにしましょう。
特に寒い季節は、水分摂取がさらに減り、運動不足になってしまうことが多くなります。
排便中の様子や便の状態をチェックしたり、スキンシップ中におなかに異常がないか確認したり、こまめに猫の様子を確認してあげてください。
排便のリズムが崩れてきた場合には、早めに動物病院を受診しましょう。